ふじわら内科クリニック

岡山市南区福成の内科,消化器内科 ふじわら内科クリニック

〒702-8022 岡山県岡山市南区福成1丁目167-1
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大腸CTのご紹介

大腸CTとは?

大腸CTとはCTを用いた最新の大腸の精密検査方法です。
従来の精密検査である大腸内視鏡と比較して苦痛をかなり軽減することができます。
ガスを大腸に注入し大腸を拡張してからCT装置で腹部のCT撮影を行います。
その撮影データから大腸の3D像を構築して診断が行われます。
実際の内視鏡を挿入せずに内視鏡検査に類似した大腸画像が得られる検査方法です。
大腸がんやポリープなどの腫瘍の診断を目的としています。詳細な色合いや表面の構造については内視鏡画像のほうが詳細に観察できますが、病変の存在を診断する性能についてはかなり正確に診断できるようになっています。

大腸CTとは?

 

大腸CTのメリットは?

○検査が楽

  1. 腸管前処置(検査の前の下剤)を軽減しても大腸内視鏡と同程度のポリープ検出能力があります。
    検査の前の下剤の内服は受診者が最も苦痛を感じる検査工程の1つです。
  2. 検査自体も受診者に優しい検査です。検査時間は一般的な2体位の撮影で10分程度で終了します。
    また内視鏡検査のように術者の技術によって検査時間や苦痛の程度が変わることはありません。
  3. 検査に伴う合併症が非常に少なく安全な検査方法です。
  4. 検査に伴って抗凝固薬などを中止する必要がありません。
    また鎮痙剤や鎮静剤を使用する必要がないため車を運転して来院し、検査後自分で運転して帰宅することができます。


○診断上の利点

内視鏡で見逃しやすい腸のヒダ裏の病変は大腸CTの方が発見しやすいといわれています。
また内視鏡が通過できないような病変の奥側や癒着などで内視鏡の挿入が難しい患者様の場合も容易に全大腸の検査を行うことができます。
またCT画像ですので腸管以外の臓器の病変を発見・診断することができます。

 

大腸CTのデメリットは?

○内視鏡より情報が少ない

CTは高精細な画像を得られるようになってきましたが、基本的に形態診断ですので内視鏡のように色彩の情報がありません。
また最近の内視鏡に搭載されている特殊光観察や拡大観察はできません。


○処置ができない

内視鏡のように生検で病理診断をすることや、ポリープを発見した場合に内視鏡的な切除(診断と同時に治療)することができません。
したがって大腸CTで病変が発見された場合は追加の内視鏡検査を行う必要があるため、その場合にはコストと手間が増えることになります。


○医療被曝

CTの進歩により軽減されてきていますが医療被曝があります。
1回の大腸CTで浴びる放射線量は1年間に自然界から浴びる放射線と同程度の放射線量です。
また従来大腸内視鏡の代わりに行われていた注腸検査より被曝量は少ないです。

 

検査の実際は?

  1. 検査の前日に検査食を食べていただき、夜に検査用の下剤を内服していただきます。
  2. 来院後検査着に着替えCT台に乗ります。
  3. 肛門に2酸化炭素を注入する細いチューブを挿入します。
  4. チューブから2酸化炭素を注入し、CTを撮影します。
    仰向けとうつぶせの2回撮影します。

以上で診断に必要な画像が得られます。

 

さらに詳しく知りたい人のために

 これ以降ではさらに詳しく知りたい人のためにこれまでに発表された学会データや情報を盛り込み、詳細に解説していきます。
 できるだけ解説を入れていますが多少の医学用語が入っています。

 

【大腸がんの状況】

 がん死因に占める大腸がんの死亡率は男性3位、女性1位となっております。(2015年データ)
また罹患率は男性2位、女性2位となっており、男女合わせると全がんの中で1位となっております。(2012年データ)
 欧米主要国では大腸がんの死亡率を大きく減らしてきたのに対して、日本では高い状態が続いています。
大腸がんは早期発見することで治癒しやすいがんです。
検診によって大腸がんになる前のポリープを切除することや、早期の大腸がんを見つけることが重要です。
日本で大腸がんの死亡が減少しない原因の一つとして検診受診率と精密検査受診率が低いことが挙げられています。

 

 

【大腸がん1次検診】

 大腸がんの検診として40歳以上の方に対して年に1回、便潜血によるスクリーニングが行われています。
便潜血の実施による大腸がん死亡率の低下には明確なエビデンスがあることから、大腸がん検診ガイドラインで推奨されている検診法です。
 しかし厚生労働省によると大腸がん検診受診率は男性では平成19年27.5%、平成22年27.4%女性も同様に平成19年22.7%、平成22年22.6%と低い値で横ばいとなっています。

 

 

【大腸がん2次検診(精密検査)】

 便潜血陽性者の精密検査として一般的に大腸内視鏡が行われます。
大腸内視鏡は、大腸全体を精査することができ、必要があれば発見されたポリープの切除を行うことができる有用な検査です。
 しかし、内視鏡を行うためには大腸の腸管洗浄剤・下剤を内服する前処置や内視鏡の挿入に伴う精神的・肉体的負担があります。
そのため便潜血陽性者の内視鏡受診率は6割程度に過ぎません。このように内視鏡検査を受けることに抵抗を感じる方が少なからずおり、また内視鏡や前処置の実施が困難な場合などに検査の侵襲が少ない大腸CTが新たな選択肢になると考えられます。

 

 

【大腸CTの精度はどれくらいか?】

 大腸検査のゴールドスタンダード(最も精度の高い検査方法)は大腸内視鏡検査です。
このため、大腸CTの精度を検討する場合、大腸内視鏡に対する非劣勢試験(従前の方法と比較して精度を検討する試験)が実施されます。
代表的な世界の精度検証の成績を下に示します。
 10mm以上の大腸の腫瘍性病変の感度はおおよそ90%以上となっています。特異度は85%~90%後半といずれも良好な成績といえます。

 

 
研究者 Pickhardt Johnson Zalis Graser Regge Heresbach 永田 歌野
実施国 米国 米国 米国 ドイツ イタリア フランス 日本 日本
症例数 1253 2600 694 311 1103 845 1260 321
感度 94% 90% 91% 92% 90% 92% 92% 93%
特異度 96% 86% 85% 98% 84% 98% 99% 98%
※感度・特異度
そもそも我々は一つの検査で真実(病変の有無)を正確に知ることはできません。
検査には誤差や間違った結果が入り込む可能性があります。
感度・特異度とはその検査がどの程度正確かを示す指標です。
感度が高い検査で陰性と出れば大腸がんである可能性は低い、特異度が高い検査で陽性と出れば大腸がんである可能性は高い、という事ができます。

 

 

【大腸CTのメリットは?】

○前処置軽減
 タギング(後述)をすることで前処置を軽減しても大腸内視鏡と同程度のポリープ検出能力があります。
腸管洗浄剤の内服は受診者が最も苦痛を感じる検査工程の一つですので、受診率にもかかわってくると思われます。
 また低侵襲な検査ですから、抗凝固薬の内服を中止する必要はありません。

○検査自体の負担軽減
 検査時間は2体位の撮影で5~10分で終了します。
内視鏡のように施行する術者の技量によって、検査時間や苦痛の程度が変わることはありません。
細くて柔らかいチューブを肛門から数cm挿入し、2酸化炭素ガスを注入し、CT撮影するのみで検査は終了します。
内視鏡を物理的に大腸深部まで挿入されて検査することと比較すると苦痛は少ないと思われます。

○診断上の利点
 大腸検査のゴールドスタンダードは大腸内視鏡ですが、大腸CTが優位な点もあります。
内視鏡では治療すべき病変の5~10%が見逃されていることが知られています。日本の臨床試験でも内視鏡で見逃されていた病変を大腸CTで指摘した例も報告されています。
 内視鏡が通過できないような腫瘤があると、その奥の病変の有無を確認できません。
また内視鏡が技術的に難しく挿入できない場合があります。
このような場合も大腸CTであれば、大腸全体の評価が可能です。
 内視鏡では基本的に粘膜面の観察に限られますが、大腸CTは腸管壁全層の評価が可能です。
例えば脂肪腫であれば内部CT値が脂肪濃度と一致することを確認することで脂肪腫であると確定診断できます。
さらに腸管外臓器(リンパ節や肝臓など)の診断をできることは内視鏡にはない利点とされています。

 

 

【大腸CTのデメリットは?】

○前処置に関するデメリット
 前処置は内視鏡と比較すると軽減できていますが完全になくすことはできません。
 またタギングといって造影剤を内服して検査を行いますが、ヨードアレルギーの方は内服することができません。

○検査の苦痛
 大腸内視鏡と比べると検査が楽であるといわれていますが、苦痛が全くないわけではありません。
ガス注入に伴う膨満感や排ガスをがまんする必要があります。

○診断上の欠点
 最近のCTは高精細な画像を得られるようになってきましたが、基本的に形態診断ですので内視鏡のように色彩や出血の有無などの直接的な視覚情報がありません。
また最近の内視鏡に搭載されている特殊光観察や拡大観察はできません。
また内視鏡であれば送気による形態の変化や処置具によって圧迫することで硬さの情報が得られますが、大腸CTではそれらの情報がありません。
病変発見と同時に生検で病理的診断を行うことや内視鏡でポリープを切除するなどの治療ができません。
したがって大腸CTで病変が発見された場合は追加の内視鏡検査を行う必要があるため、その場合にはコストと手間が増えることになります。

 

 

【タギングとは?】

 CTでは腸管内の残便、残液などとポリープやがんなどの病変が同程度の濃度(CT値)で描出さるため残便なのか病変なのかを区別することが難しくなります。
あらかじめ造影剤を内服し、残渣や残液の濃度(CT値)を変化させることによって検査の精度を上げることができます。
このタギングを行うことにより残便が残っていても精度の高い検査ができるようになりますので下剤や腸管洗浄剤を減らすのに役立っています。

 

タギングとは?

白い部分が造影剤の混ざった残液 矢印がポリープです。

 

【合併症の頻度は?】

 大腸CTは侵襲が小さく、安全な検査方法です。
しかしまれながら重大な合併症として腸管穿孔、軽い合併症として迷走神経反射の発生が報告されています。  大腸CTにおける穿孔はまれで、頻度は0.064%~0.13%と報告されています。
 その中で手動ガス注入による穿孔が穿孔症例全体の85%を占めています。一方自動送気装置では穿孔の可能性が低くなっており、設定注入圧を超えないようにモニタリングを行っている成果と思われます。
当院では導入当初から自動送気装置を使用して検査を行うようにしております。 迷走神経反射の発生頻度は0.1%~0.16%と報告されています。
 迷走神経反射とは痛みや精神的ショック、ストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れ、一過性に血圧や心拍数が低下し、脳に十分な血液を送れなくなることでめまいや失神を引き起こす状態のことです。

 

 

【大腸CTの禁忌は?】

 大腸CTではX線を使いますので妊婦は検査できません。
CT台の上で安静にできないような高度の認知症の方や知的障害のある方は検査できません。
CTのガントリー内に入りきらないような高度の肥満の方も検査できません。
上記に当てはまらない方は検査可能です。

 

 

【私の私見としては・・・】

 大腸CTは画期的な大腸精密検査の新たな手段としてこれから普及していくものと思っています。
しかし大腸内視鏡に取って代わるものではないとも思っています。
私は内視鏡の専門医としてキャリアを積んできており、内視鏡の精度の高さや発見と同時に病理診断や治療を行える優位性は今後も重要だと考えています。
大腸CTの重要な点は『検査が楽なので精密検査を受ける方が増える』この点だと思っています。
これまでは検診の便潜血が陽性になったときに次の手段は大腸内視鏡しかなく一気に苦痛のハードルが上がります。
このため検査を拒否したり、陰性の結果がでるまで検便の再検査を希望されたりする方が多いです。そういった方に大腸CTを受けていただくことで、病変がなく検査終了となる方と病変があるため大腸内視鏡に進む必要がある方を選別することができればよいと考えています。
実は便潜血陽性となっても80%程度の方は治療を要する病変は見つかりません。
大腸CTによって病変がないことが確認できれば、大腸内視鏡を受ける必要もありませんし安心して精密検査の過程を終えることができます。
つまり便潜血と大腸内視鏡の中間の立ち位置で本当に内視鏡が必要な方と不要な方の選別をするのがこの検査の役割だと思っています。
 またもう一つの重要な役割は高齢者の精密検査です。
個人差はありますがおよそ80歳を超えると大腸内視鏡は困難になってきます。しかし大腸CTであれば年齢による制限はないと思います。
 私は現在は内視鏡の専門医ですが、医学部卒業当初は放射線科医でした。CT画像を読影することを主な仕事としていた時期がありました。
大腸CTの診断には内視鏡医の知識と放射線科医の知識の両方を必要とします。
これまでの私のキャリアと大腸CTの必要とする条件がマッチしており、これが“大腸CTを私がやるしかない!”と強く感じた最大の理由です。
大腸CTが普及することによって、きちんと精密検査を受ける人が増え、大腸がんによる死亡が減少することを期待しています。